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山西 敏彦
プラズマ・核融合学会誌, 92(1), p.21 - 25, 2016/01
核融合炉トリチウム燃料システムでは、燃料としての重水素及びトリチウムの精製と、不純物としての軽水素の除去、炉で生じたトリチウム水からのトリチウムの最終的回収のために、水素同位体分離系が必要である。この水素同位体分離系では、比較的大流量の処理量を確保すると共に、軽水素中のトリチウムを低濃度にまで(環境放出レベル)下げるために高い分離係数が必要である。よって、大流量,高分離係数、両者を満たすことが可能な深冷蒸留塔が採用されている。また、深冷蒸留法は、カナダ及び韓国の重水炉において、重水からのトリチウム回収の最終プロセスとしても採用されている。ここでは、深冷蒸留塔の分離原理、これまでの研究開発状況、今後の課題について記述する。
岩井 保則; 山西 敏彦; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 西 正孝; Willms, R. S.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(6), p.661 - 669, 2002/06
被引用回数:14 パーセンタイル:65.5(Nuclear Science & Technology)ITERの燃料循環システムでは、水素同位体分離システム(ISS)を構成する深冷蒸留塔内にトリチウムの大部分が滞留することが予想されている。そのため、高い精度を有するISS内水素同位体滞留量解析評価手法が安全確保の観点から強く求められている。ISS内のインベントリー評価手法の確立のために日米協力のもと、ロスアラモス研究所トリチウムシステム試験施設の有するITER規模の深冷蒸留塔を用いた実験を計画し実施した。この結果を評価し、今回提案した数値解析評価手法により深冷蒸留塔内の水素同位体滞留量を精度よく評価できることを確認し、本手法がITER規模の深冷蒸留塔に有効であることを明らかとした。本手法の精度は塔内の濃度分布に依存せず、特に重水素の液ホールドアップ率は塔の形状の違いにほとんど影響されないことを見いだした。またITER規模の深冷蒸留塔では液の滞留量に対してガスの滞留量も無視できないことを見いだした。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝
JAERI-Tech 2001-027, 29 Pages, 2001/03
核融合実験炉ITER-FEAT設計作業の一環として、先に設計されたITERの規模縮小に基づく処理流量の減少に対応した水素同位体分離システム(ISS)の概念設計の予備的検討を行った。ISSには三種類のガス流が供給され、深冷蒸留法により高純度トリチウムガス流,高純度重水素ガス流及び軽水素ガス流が生み出される。本報ではシステムの簡略化とITER-FEATの運転シナリオを考慮し、4塔からなる独自の塔構成にISSを提案した。ISS内の最大トリチウムインベントリーについては、運転条件に対応して定まるペレット用のトリチウム濃縮流の検討の進展による低減の可能性を見いだした。また現状の塔構成では環境に排出する軽水素排ガス中のトリチウム濃度がISS運転中に加わるわずかな流量変動によって容易に変動する可能性を指摘し、この流れに対する2塔システムの対策を提案した。
奥野 健二; 榎枝 幹男; 井手 隆裕*; 福井 裕*; 吉田 浩; 成瀬 雄二; Anderson, J. L.*; Bartlit, J. R.*; Sherman, R. H.*; R.V.Carlson*; et al.
JAERI-M 90-028, 73 Pages, 1990/02
本報告書は、日米協力Annex IVに基づいて1988年7月に米国ロスアラモス国立研究所のトリチウム試験施設(TSTA)において実施されたTSTA共同ループ試験の結果をまとめたものである。本共同ループ試験の主要目的は、DOEによる技術安全審査委員会(TSA)に対してTSTAシステムの安全性を示すことにあった。試験は安全かつ成功裏に終了した。また、本試験において多くの技術的成果も得られた。特に、水素同位体分離システムの制御およびその分離特性に及ぼすヘリウムの影響に関しては重要な知見が得られた。
木下 正弘; 山西 敏彦; J.R.Bartlit*; R.H.Sherman*
Fusion Technology, 10, p.137 - 148, 1986/00
Hガスの流れを充填部の最上端付近に加えるという発想により、流下液膜式ヘリウム分離塔の特性が大幅に改良されている。充分に短い充填部(TSTAの入力条件下では1.4m)で、塔頂を出るトリチウムの流量は極端に小さく抑えることができ(0.2Ci/y)、しかも圧力は1atmまで下げることができる。冷凍部の仕様の決定用として、ColburnとHougenの方法を用いた1つの設計モデルを提案し、ヘリウムの存在が設計手順をいかに複雑化するかを示す。制御方式の提案も行い、深冷蒸留塔の制御方式との違いを明らかにする。冷媒ガスの入力条件を変化させても解消できない圧力上昇は、塔頂ガスの流量を増加させることによって取り除く。塔頂ガス中のトリチウム濃度は、上記のHガスの流量によって制御する。
木下 正弘; 吉田 浩; 竹下 英文
Fusion Technology, 10, p.462 - 473, 1986/00
トリチウム増殖ブランケットシステムにおいて必要とされている、ヘリウムパージガスへのHまたはD添加が、水素同位体分離システム(ISS)にいかなる影響を及ぼすかについて、FERの設計条件下において解析した。上記の添加によって、燃料給排気系におけるISS(塔数2,T-インベントリー約70g、所要冷凍能力110W)以外に、ブランケットシステム用に別のISSが必要となる。必要なISSの規模は、H添加を用いる場合の方が、D添加を用いる場合よりもはるかに小さくて済む。H添加によってトリチウム濃度が100倍に希釈されるとき、塔数、T-インベントリー、所要冷凍能力は各々2、8g、65Wとなり、1000倍に希釈されるときは、各々3、12g、630Wとなる。この結果から考えると、上記1000倍希釈までのH添加なら、ISSにおいて特に深刻な問題は生じない。、
木下 正弘; 奥野 健二
JAERI-M 85-157, 19 Pages, 1985/10
D-DT-T系の相対揮発度は1に近い(D-DT,DT-Tのそれは1.1から1.3の範囲にある)ため、相対揮発度の小さな誤差も、深冷蒸留塔で規定された出力条件を満たすのに必要な段数の計算値の大きな誤差に結びつく。このように、非理想性(あるいは、ラウールの法則からのずれの大小)は、塔の解析研究にきわめて重要である。SherwoodとSouersは、水素同位体溶液のラウールの法則からのずれの推定法を提出しているが、トリチウムを含む溶液に対しては、推定値は実測値よりもかなり小さい。彼らは、トリチウムのX線によって温度センサーが影響を受け、その理由のみから、ずれが実際よりも過大に観測されてしまうのだと結論している。著者らは、この結論に疑問を投げかけ、トリチウムの放射化学的効果によっても、ずれがより大きくなるのではないかという新しい考え方を提示すると共に、若干の考察を行った。
木下 正弘
JAERI-M 84-160, 105 Pages, 1984/08
深冷蒸留法は、多くの場合に適用できる。フィードの条件、塔カスケード構成、入出力条件は、各場合によって大きく異なる。核融合炉の燃料給排気システムにおいては、フィードの組成は操作中にかなり変動する可能性がある。環境へのトリチウム放出量に対する規制は、フィードの条件が大きく変動しても、厳しい出力条件を満たした長期的な操作が行えるようにするという目標を達成するためには、系統的な研究が不可欠となる。本報は、著者の現在までの研究を批評的にレビューしたものである。対象となるテーマは、シュミレーション手法の開発、フィードバック流れを持つH-T分離塔の特性、動特性及び制御に関する解析、1つの新しいカスケードの提案、ヘリウムが塔特性に及ぼす影響、塔カスケードのスタートアップに関する解析、及びHETPの操作条件への依存性に関する実験的研究である。